夏バテの水分補給や、これからの季節(秋)にお腹を冷やしてこわしたりすることが多くなります。
いずれの水分補給についても脱水症の予防、治療に有効とされるのは速やかな水分、塩分の補給によいのが「経口補水(イオン)液」です。(スポーツドリンク(=一般のイオン飲料)とは異なります)
脱水状態が軽度か中程度の人の水・電解質を補給維持するのに適したものが、ドラッグストアなどで市販されています。スポ-ツドリンクよりも多くの電解質(ナトリウム、カリウム、マグネシウム、リン)を含むので、夏バテによる下痢・嘔吐・発熱、経口摂取不足、過度の発汗による脱水状態時の水分補給に適しています。
これからの秋の訪れに感染性腸炎、感冒による下痢、嘔吐、発熱を伴う脱水状態や高齢者の経口摂取不足による脱水状態、過度の発汗による脱水症状にぴったりです。
経口補水液(ORS(Oral Rehydration Solution))は、もともと発展途上国の子どもたちの(高度の)脱水症状に効果的に対応するために考えられたもので、日本では「特定病者用食品」の厚生労働省の許可に基づき市販されています。
ただし、多くの電解質-特にナトリウム-を含みますので、日常的に飲用するものではありませんのでご注意を。(この点はスポーツドリンクも同じです。一般のイオン飲料=スポーツドリンクは、運動中~後の電解質補給を考えて作られています。運動していない人が日常飲用するのは、ナトリウムの過剰摂取につながりますので、オススメできません。)
乳幼児(の脱水症状)には「乳幼児用のイオン飲料」をおすすめします。
このイオン飲料は発汗・下痢・発熱・嘔吐のときに失われる水分や電解質の補給に、又経口補液に代わるものとして適した飲料です。
経口補水液の研究の中で、乳幼児の下痢では、浸透圧を低くした方が水分の吸収がよいこと、下痢の回復が早いことが確認され、世界保健機構(WHO)でも低浸透圧の経口補水液が推奨されています。
調剤薬局等で簡単に手に入りますので赤ちゃんや幼児の水分・電解質補給にうまく使ってください。(薬剤師 東洋医学研究家 松田昇)
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