昔からのどくだみ茶などとともにハトムギ茶(ヨクイニン)がよく買われています。
「ハトムギ茶」といえば唐の時代の「本草経」のなかにも書かれていて、
漢方のはじまる頃から飲まれていたものと思われます。
日本へは弘法大師が持ち帰ったとされています。
「弘法麦」と呼ばれ蛋白質や脂肪分が多く、各種のアミノ酸やビタミン群が含まれています。
ヨクイニンには利尿効果があり、体内に停滞した水分をよく小便や大便で出してくれるので、
漢方薬の成分としても多くの処方に配合されています。
また、ヨクイニンは、女性のしみや色白のビタミン薬にも配合されています。
肌がきれいになりますし、特にザラザラしたサメ肌やイボ、水イボにも効果を発揮します。
イボの治療に、ヨクイニン(生薬)の処方箋を書いてくれる皮膚科ドクターも多いですね。
ハトムギの制がん効果について言及された論文もあります。
ハトムギ胚芽の成分をがん細胞に与え、がん細胞の分裂を阻止する作用があるということが
書かれています。
ハトムギとゴマやハチミツ(蜂蜜)は抜群の相性です。
ゴマや蜂蜜は、肝臓に必要な栄養分をもち、皮膚や内臓の粘膜にいたるまでの
栄養を補います。
この「ゴマと蜂蜜」に先ほどの水分代謝をよくする利尿効果の「ハトムギ茶」が加われば
ベストの組み合わせとなります。
健康食としては最高のものといっても言い過ぎではないと思います。
この類の漢方生薬には、ほかに「芍薬(しゃくやく)」「桔梗(ききょう)」などがあります。
「芍薬」は腸管の水分を出してくれる薬として、「桔梗」は気管にたまった水分を出してくれます。
人間の身体のどこかに例えば「イボ」ができたり、胃潰瘍、それに、咳や喘息の場合もそうですが、
皮下や関節に溜ったよけいな水分を排出させるという考え方で対処します。
(東洋医学研究家、薬剤師、松田昇)