花粉の飛散も本格的。
西洋医学に頼るには、症状が出る約一ケ月前からの薬の服用が基本ですが、東洋医学はこれからが出番です。
症状別に紹介しておきましょう。
目も痒いし、くしゃみ連発、鼻もグスグスしてうすい水鼻も・・・というとき、
ファーストチョイスはなんといっても 「小青龍湯 (しょうせいりゅうとう)」
鼻がつまって・・・という人には
葛根湯 (かっこんとう) に、辛夷 (しんい※1) と川芎 (せんきゅう※2) を加味した
「葛根湯 加 川芎辛夷 (かっこんとう か せんきゅうしんい)」 という処方を服用するとよいと思います。
日頃から体が興奮的、亢進的、いろんなところに炎症がおきるタイプには 「荊芥連翹湯 (けいがいれんぎょうとう)」。
生薬を調合してくれる漢方薬局では 「葛根湯」 に桔梗 (ききょう※3) 、石膏 (せっこう※4) を加味してもらうといいですね。
クシャミ連発でもう大変!!というタイプには、「麦門冬湯 (ばくもんとうとう)」 という処方がよいと思います。
鼻つまりで点鼻薬ばかり ・・・というタイプには「辛夷清肺湯 (しんいせいはいとう)」 がピッタリ。
おおよそ、以上の処方で花粉症に対処してゆけると思います。(東洋医学研究家、薬剤師、松田昇)
※1 辛夷
モクレン科のコブシ、近縁植物のつぼみ。
味は辛く芳香がある。発散したり体内の分泌物である痰や鼻などを排出する役目をにないます。
西洋医学的なお薬同様の抗アレルギー作用をもち、ヒスタミン遊離を抑制してくれます。
中枢性の筋弛緩作用もあります。
※2 川芎
セリ科センキュウ、近縁植物の根茎。
味は辛く、この生薬も体内の分泌物を排出する役目をもち、脳の血行をよくして花粉症特有の頭重、頭痛に効を奏します。
※3 桔梗
キキョウ科キキョウの根部分。
味は辛く、サポニンで去痰・排膿効果あり、気管・気管支・上気道の炎症を抑えてくれます。
のどの痛みや声のかすれにも効果ありです。
※4 石膏
天然の含水硫酸カルシウム。
味は甘味と辛味を帯び、熱を抑えると共に桔梗と協力して硬い膿を軟化して出易くしてくれるのです。
解熱・消炎作用があり、但し寒性薬の代表であり、体が萎縮的、衰退的、いわゆる精気なく青白い顔の向きにはつかってはいけない生薬のひとつです。
コメント