O157に感染して、不幸にして亡くなられる人もいれば、まったく無症状な人がいるという話、聞いたことありませんか?
不思議に思っていましたが、科学はその理由を解明しつつあるようです。
日本のバイオの先端研究機関のひとつ、理化学研究所が、昨年1月におもしろい研究成果を発表しました。
詳しくは<参照>を読んでいただいたらと思いますが、少し難しいので、解説しておきましょう。
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O157は、シガ毒素といって、
腸管粘膜に激しい炎症を起こす物質を産出するために感染者に致命的な症状を引き起こす病原菌です。
しかし、O157を、善玉菌の代表格・ビフィズス菌と共棲(きょうせい、いっしょに培養)させると悪さをしなくなる。。。
つまり、O157自身が酢酸(酢のこと)のほか、複数の有機酸を産出するようになって、腸の健康維持方向に貢献するということです。
図がわかりやすいですので、ご覧ください。
(多糖類として食物繊維の役割もプラスして描かれています)
今まで、善玉菌が悪玉菌を 『やっつける』 イメージでしたが、(図の左)
実際は、そんな単純なものではないようです。(図の右。悪玉君もニコニコしてますね)
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この研究成果は、次のように解釈することができます。
食物繊維やヨーグルトなどの乳製品をよく摂りましょう!と、よく言われますが、
ダイエットや便秘解消といった日常の美容健康レベルの話にはとどまりません。
万が一、O157に感染した場合、自分の命を守るというレベルの話でもあるんですね。
<参照>
ビフィズス菌の作る酢酸がO157感染を抑止することを発見
独自の代謝動態解析法で微生物間相互作用を追跡
※記事の参照でプロバイオティクスが解説されています