ケミカルピーリングは、レーザーのシミとリなどと同様、最もポピュラーに行われています。
ご存知かと思いますが、ピーリングとは「はがす」という意味で、ケミカルピーリングを直訳すると、化学薬品で(化学成分を使って)はがすということになります。
皮膚の角質を化学成分(酸性のもの)で溶かし、それにより新しい皮膚(角質)の再生をうながすのがケミカルピーリングの原理。
使用する化学成分は10数種類もあるのですが、使用する酸の強さや濃度によって、表皮の角質を軽くピーリングするもの(ほとんど痛くない)から、その奥の奥、真皮まで到達する危険なレベルのもの(大変痛い)まであります。
前回、日本皮膚科学会がケミカルピーリングガイドラインを作成しているお話を紹介しましたが、原理を知れば、なぜ皮膚科なのか?がわかると思います。
このガイドラインは、皮膚科ドクターが患者さんにケミカルピーリングを行う場合の
◎適応症 ◎施術基準 ◎諸注意 ◎施術中~後の所見 ◎留意点、をまとめたもの。
確かにエステティックサロンや個人輸入の化粧品などで訴求している例がありますが、ケミカルピーリングは皮膚の専門家である皮膚科または形成外科のドクター、それも経験豊富なドクターに行ってもらうのが一番確実で安全な方法ということです。(国内市販品でもピーリング効果をうたったローションなどのスキンケア品には、実際にケミカルピーリングで使用される化学成分(AHAなど)が含まれています。しかし市販のものは酸の力がゆるやか、また低濃度で効果がおだやか、つまり長期間使用しないとはっきりとした効果が確認できないレベルのものです。)
それにケミカルピーリングを行いますと一時的に角質が薄くなったり無くなったりする訳ですから、その間、皮膚のバリア機能が低下し、紫外線の影響を受けやすくなります。当然、これに応じて手厚い(特別な)スキンケアを行わなければなりませんが、やはりそのようなことは皮膚専門家ドクターの管理の下で行った方が、万が一の事を考えると安全です。
ケミカルピーリングはニキビ、コジワ、シミ、クスミに効果があるとして行われますが、高い治療効果が確認されているのはニキビです。(医学用語では”ざそう”といいます。”ざそう”の顔に現れるものがニキビ。)
最新のケミカルピーリングガイドライン2004年版をネットで見ることができます。ケミカルピーリングに興味があったり、これから考えておられる方は、是非ともご覧ください。(ゼロポジション)
和歌山県立医科大学 皮膚科HP(携帯ではご覧になれません)
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