今回は、外反母趾について、美容の統計データ(ゼロポジション)から少し見てみます。
グラフは外反母趾で悩んでいる女性(主に痛みのある)の年齢ごとの発生状況です。
50才前後をピークにして発生しています。
これは、女性の身体の変化、特に骨量の低下が起きる更年期(一般的に50±5才)に外反母趾の痛みがあらわれることを示しています。
女性には少しつらい話ですが、だからこそ、若いうちから予防したり、靴選びなど「自分でできる対策」をしておくことを提案します。
20代にも小さなピーク(山)がありますが、その理由は、このデータからだけではっきりわかりません。(運動時に痛むタイプかも知れませんが・・・)
外反母趾トラブル(=痛みのある人)の発生率は50才前後で15%、他の年齢層で10%前後。全体から見れば少数のように思えますが、痛みのない人、特に若いティーン世代での予備軍も増加しており、将来にわたって注意する必要があります。
予備軍かどうかの判断は、前回8月6日に書いたとおり、自分で自分の足を測定してみること。
もうひとつ、タコ・ウオノメができやすいかどうか。
タコ・ウオノメと外反母趾は近い関係にあります。
タコ・ウオノメができやすいということは、足裏の横アーチ(親指から小指の付け根を結ぶライン)が崩れている可能性があります(※→文末)。
この崩れた状態を、開張足といいます。
開張足は外反母趾の人(予備軍の人にも)に多く見られます。この状態になると、足の指の付け根がペッタリついてしまいます。人差し指と中指の間の付け根にタコやウオノメができやすい人は開張足の可能性大と言われます。
グラフの青い点線は、タコ・ウオノメで悩んでいる女性の発生率です。
データでは、外反母趾の人のタコ・ウオノメ発生率(28%)は、外反母趾でない人の発生率(14%)の2倍であり、統計的に有意に併発することがわかっています。
(同じく、タコ・ウオノメの人の外反母趾発生率(19%)は、そうでない人の発生率(9%)のやはり2倍です。)
【20‐30代のハイリスク条件】
グラフで、タコ・ウオノメと外反母趾で悩んでいる女性の発生率が、30代後半を境に逆転(グラフの中、↓で表示)することから・・・
①現在20-30代で、
②タコ・ウオノメに悩まされている人で、
③外反母趾の予備軍または軽度以上である人は、
40才を迎える前頃から、外反母趾が痛み出す可能性が約2倍の確率であることを示唆しています。
【40代のハイリスク条件】
①現在40代で、
②タコ・ウオノメで悩まされている人で、
③中度(20度以上)でも30度近く以上の外反母趾の人は、
④さらに足のツメが割れ(やすく)て困っている人はハイリスクで、
更年期を迎える頃から、痛み出す可能性が高いと思われます。(④は美容の統計の分析から)
次回(8月28日)は、20代以下の子供やティーンのハイリスク条件について、少し整理してお知らせします。(消費生活アドバイザー 崎山さん)
※足裏の横アーチは、縦アーチとともに、歩行による衝撃を吸収するクッションの役割をしています。
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