オリーブ油はイタリア料理で人気の高い食材です。
意外にご存じない方も多いのですが、実は便秘に悩む女性には大変良い効果を発揮します。
オリーブ油にはオレイン酸という脂肪酸が多く含まれていますが、オレイン酸は腸で吸収されにくく、多く摂れば腸管内の内容物と混じり、便が軟らかくなり排便を促してくれるというものです。
サラダにオリーブ油をかけて食べることで、野菜の食物繊維とともに便秘の解消にさらに効果的といえます。ぜひお試しください。
オリーブ油は小腸刺激性で、大腸刺激性のものがほとんどを占める市販の下剤とは作用が異なるので、薬を飲んでも思うような効果が出ない人に、意外な効果を発揮することがあります。
料理に使う場合には普通のものを、そしてサラダやパンと一緒に口に入れるものはエキストラバージンオイルがよいでしょう。
【頑固な便秘症で便秘薬をやめられない人に】
慢性便秘で便秘薬のやめられない方は、漢方の防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)などの生薬(しょうやく)主体のものに変えつつ、オリーブ油と併用し、最後はオリーブ油だけに変えてゆきたいものです。
生薬の大黄、アロエ、センナ等のアントラキノン系の下剤を長期服用すると大腸黒皮症といってかえって腸管の働きを悪くするとも言われています。
そのようなリスクを避けるためにも、オリーブ油を主体に食物繊維を取り入れた食生活への転換をおすすめします。
【オリーブ油の簡単メニュー】
毎朝の生野菜サラダのドレッシングにオリーブ油を使い、ハーブでトッピングするとさらにおいしくなります。
同時に、パン(フランスパンなど)にオリーブ油をつけて食べるなど、よい組み合わせになります。
※防風通聖散:腎機能を助け、身体の余分な水分を(便などで)排出する役割があります。効きすぎる場合、下痢気味になったりします。そういう場合、身体に合っていない可能性がありますので、服用して下痢が続く場合は他の処方をチョイスします。運動を適切に組み合わせるとメタボリックに有効とされ今ではメジャーな漢方です。ドラッグストアでも購入できる他、最近は、ほとんどの医療機関で処方されます(保険適用)。かかりつけがある方は一度ドクターに相談してみてください。
(東洋医学研究家、薬剤師 松田昇)
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