漢方でいう解毒症体質とはなんでしょう!
いわゆる解毒剤、四物黄連解毒湯(しもつおうれんげどくとう)を用いて治療するものをいいます。
毒は何かといいますと、漢方全盛の頃には「結核性毒」といい結核性の疾患に犯されやすいものは解毒症体質者と呼ばれていました。
ちなみに昔は結核性体質を有する小児は、常に風邪、気管支炎、咽頭炎、扁桃腺炎、鼻炎等の炎症性疾患に犯されやすく「柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)」で治療していたとされています。
そしてやがて青年期に達すると、「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」という処方が多く治療に用いられていました。
さらにこの体質者は耳鼻や痔、神経症等の疾患にかかり易く、これらの疾患は小児期の「疳(かん)の病」といわれる病気をはじめ肝臓の解毒作用に負うところが多いといわれています。
すなわち解毒症体質とは肝臓の解毒作用を必要とする各種の体毒を持っている体質といえるのでしょう。
肝臓機能に関与する場合痔疾、眼疾、神経症、耳鼻疾患、咽頭部疾患等においても同様にこの体質といえますね!
以前にお話した「駆臓毒剤(く・ぞうどくざい)」としては「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」があげられます。
「防風通聖散」は皮膚、肛門、腎臓の三つの排泄部より実熱を駆逐するとされています。
一方「解毒剤」としての基本は「四物黄連解毒湯」といわれるもので、「四物湯」と「黄連解毒湯」の合法(がっぽう)で成り立っています。
特に「四物湯」の薬能は肝に働いて肝血を和すというものです。
名の通り、4種類の生薬で構成されます。
・「当帰(とうき)」は血を生ず、
・「川芎(せんきゅう)」は血中の気を通じめぐらす、
・「白芍薬(しろしゃくやく)」
・「地黄(じおう)」
更年期を迎えた女性、あるいは更年期予備軍の女性には欠かせない「四物湯」といえるでしょう。(松田昇 東洋医学研究家、薬剤師)
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