人間は衣食住の環境から保護され、自然界からの刺激をや和らげています。
ところがどうでしょう!
最近は人為的な環境設備が過剰となり、過保護になりそのために自然環境に対する順応力が低下してきました。
人為環境の行き過ぎから夏には冷房病を患らい、冬には温燥に病みます。
日本の国はアジア大陸の東にあり、大陸の気候の影響を受ける太平洋上の島国です。
四季による気候の変動が激しく、これから迎える夏季は気候の変動が激しくて高温多湿と大変住みにくい環境となります。
とにかく昔と違って、彩光や風通しは無視されコンクリ-ト構造のうさぎ小屋!
衣食住のなかで住が最も悪条件。
それを補う冷房で体は冷えすぎ、冷たくした飲み物や食べ物をたくさん食べるという最悪の状況なのです。
漢方では、基本的に体の内部と外部にわけて症状、処方を考えます。
①外部の暑熱・暑湿
部屋を冷やし、車内は冷房からくる寒気、頭痛、肌冷え、手足冷え、四肢しびれ、肩や腰の痛み、筋肉の強張り痙攣。
そして関節が痛み神経痛が起こったりします。
漢方の治療としては、体の外表面の筋肉を温める生薬(桂枝・当帰・川芎・麻黄・細辛・附子)ですが、その代表は五積散(ごせきさん)・当帰四逆湯(とうきしぎゃくとう)
②内部の暑熱・暑湿
腹痛、腰痛、下痢、嘔吐、胃部の冷え、下腹部の冷え、ゴロゴロと腹鳴、おしっこの量は多く、色は淡い。
冷たい水や食べ物で胃袋は内部冷却。
下肢を冷やすと冷えて冷たくなった血液が腹になかに戻り、下腹部を中から冷やす。
小児は脚が短く腹を覆うとすむが、大人は脚の占める割合が多く、冷却水は下に下がって行く。
夜に足を出して寝ると下肢が冷える。
これらを内部の暑熱、暑湿といいます。
体の内部を温める生薬(附子・干姜・肉桂・呉茱萸)ですが、その代表は人参湯(にんじんとう)・大建中湯(だいけんちゅうとう)・呉茱萸湯(ごしゅゆとう)・真武湯(しんぶとう)があげられます。
次回はそれぞれの生薬や各処方についてお話してゆきましょう。(東洋医学研究家、薬剤師、松田昇)
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