先回の「五苓散」の続き。
速効性のある「五苓散」のもう一つ役に立つ話があります。
お医者さんでは乳幼児の吐き下し症状に点滴をすると、よく聞きますね。
脱水症状なので必要なものを補っているのですが、針を刺されてじっとしていなければならず、子供にとっては苦痛以外の何ものでもありません。
でも、水を飲ませてもすぐに吐いたり、唇はカサカサでアセトン血症を起こしかねないから無理もありません。
そんな時こそ「五苓散」(以下五苓散エキス)なのです。
では、どのようにして飲ませるの? ということですね!
「五苓散のエキス」を普通のコップの四分の一位の水に溶かして(その場合砂糖を加えるもよし、何か甘いものを加えてもよしです。)
チビリチビリとゆっくりゆっくりと飲ませてあげてください。
「五苓散のエキス」を溶かした水が口に触れると不思議と飲み始めてくれると聞きます。
また「五苓散エキス」は体が水分調整不可能な状態にあるときに大変効果を発揮してくれます。
たとえばビ-ルの大ジョッキをガブガブ飲んで胃が水びたしというような状態の時とかに、素早く効き目を発揮してくれます。
話は元に戻り、子供がついつい食べ過ぎたり、あるいは何か悪いものを食べたなどでムカムカしている時、「五苓散エキス」がよく使われています。
服用させた直後にガバッ-ともどしますが、良くないものだけを吐きだしてくれるということです。
使い方によっては大変重宝な処方ということができます。
「五苓散エキス」剤の構成
茯苓(ぶくりょう)
古来から浮腫、水腫、下痢、嘔吐、腹水に用いられる生薬
沢瀉(たくしゃ)、猪苓(ちょれい)
茯苓に比べて利尿効果が強く、胃腸内の多量水分貯留等には顕著な効き目
朮(じゅつ)
茯苓とともに消化管の水を、そして関節内の水や筋肉内の浮腫の水分を血中に吸収する作用があるとされています
桂枝(けいし)
腎血管や末梢血管を拡張させて利尿効果をアシスト、浮腫の水分を吸収する生薬
(東洋医学研究家、薬剤師、松田昇)
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