アレルギー体質の人は根強いものが根底にあります。
まず自分は何に対してのアレルギーなのか?
ドクターにアレルゲンを発見してもらい、まずアレルゲンを避ける生活をすることが肝要です。
そうすることで、アトピー性皮膚炎の治療は抗アレルギー性のある漢方処方で対応できる見通しがつきます。
黄色ブドウ球菌の産生する物質がスーパ-抗原となって、それに対する特異IgE抗体が作られ、結果、遅発型アレルギ-を起こします。
各種のザイトカインの影響で湿疹病変の増悪と遅延化がおこり、皮膚炎が治りにくくなっていることもあるので注意が必要です。
こんな時にこれらをコントロールする漢方処方が「小柴胡湯(しょうさいことう」という処方。
「紫蘇葉(しそよう-シソの葉」のルテオリンにその作用があるといわれています。
この成分は排膿(はいのう)効果の「金銀花(きんぎんか)」にも含まれています。
「金銀花」は「銀りょう散」という処方にも入っており、抗ウイルス・抗菌作用があり、また、ノドの痛みをおさえたり、下痢などの症状も緩和する働きを持ちます。
トータルではインフルエンザの治療にもよいと言われています。
最近は大手のメーカーから発売されるようになりましたので、店頭で薬剤師にお尋ねください。
さらに菌の感染症が長期に及ぶと、LDHの血液検査値が上昇し、やがて好酸球が多くなるⅠ型アレルギーの第三相が現れてきます。
この場合「小柴胡湯」を基本に考えますが、さらに長期に及んでくると、「十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)」とを用いてゆきます。
このような細やかな治療で菌の感染がなくなり、やがてはLDH値が正常に戻り、血中の好酸球が正常値に戻ってくれば、今まで陽性に出ていたアレルゲンも陰性になることが多くみられます。
ここまでくれば、いよいよアレルゲンを遠ざける生活をしなくてもよくなることも多くなります。
(東洋医学研究家、薬剤師、松田昇)
<参考>
※小柴胡湯:柴胡・半夏・黄ごん・大棗・人参・甘草・生姜
※十全大補湯:人参・白朮・茯苓・当帰・川芎・塾地黄・芍薬・桂枝・黄耆・甘草
この処方は手術後や大病のあとの衰弱した時期などによく使われる処方として有名です。
※銀りょう散:金銀花・連翹・桔梗・甘草・薄荷・牛蒡子・淡竹葉・荊がい・淡豆豉・芦根
コメント