最近、「お医者さんから不眠症の薬をもらっていたが、行くのが面倒だからと同じお薬がほしい」とよく聞かれます。
「向精神薬はドラックには置いてないので」とお断りするとがっかりされています。
不眠は、経験のない人にはわからない辛さがあります。
睡眠薬を飲めばよく寝られるのですが、習慣性になるという欠点があります。
そこで東洋医学の登場です。
漢方だと習慣性がなくて、自然の眠りを誘う効果があり、安心して飲むことができるという利点があります。
不眠症の治療にはその人その人のもつ随伴症状をもとにその人に合った処方を考えてゆきます。
例えば大病後や高齢者、過労で眠れない等の場合には体力を補う処方。
精神的な不安があったり神経質な所をもつ人には、神経の緊張をほぐしたり、不安感を取り除く処方となります。
また興奮状態にあって眠れない場合など、例えばなにか夢中になっていて終わればすぐに眠りたい場合(運転終了後即寝たい等)には熱をさましてゆく処方を使います。
このように東洋医学ではそれぞれの人の状況をよく把握して、最適な処方を見つけてゆきます。
入眠までゴロゴロと寝がえりをうつ人はは、だいたい陽証が多く、じっと眠るのを待つ人は陰証の人が多いといわれています。
睡眠途中での覚醒や早朝の覚醒、熟睡障害は高齢者の不眠症やうつ状態にある人に多いですね。
次回はこれらの諸症状にあった、睡眠改善のための漢方を紹介します。
次回、7月27日。
(東洋医学研究家、薬剤師、松田昇)
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