二回目は臓毒症と呼ばれるものについて。
四毒といわれています「風毒」「食毒」「梅毒」「水毒」についてお話ししましょう。
ある説では、臓毒これは体内の臓器の毒質で新陳代謝障害による他の毒が各臓器に滞留したもので、新陳代謝不良による産物といわれています。
いわゆる肥満体質(中性脂肪過多等)の原因ともいえましょう。
これら漢方でいう風毒、食毒、水毒、梅毒の四毒を指しているという説です。
まず、そのひとつの「風毒」とは?
病気の原因を風とみたものも多く、中風、破傷風等は代表的なものですね。
昔は感冒もいわゆる「風」で細菌やウイルスも「風」とされたのでしょう。
漢方の世界ではこの風毒にたいして「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」が多く用いられていたようです。
次に「食毒」とは食物による自家中毒のことのようですね。
美食家に多く、かっての平穏な時代に漢方の大先生が「防風通聖散」を多く用いて大いに効果をあげられたと書物には書かれていますね。
上記の「防風通聖散」は食毒を中和駆逐し、自家中毒による疾病を未然に防ぎ既病の治療にも用いられたとされています。
三つ目の「梅毒」は語るにあらずですね。
そして四つ目の「水毒」とは?
以前にも説明したことですが、腎臓の排水障害の影響を受けて、本来なら排出されるべく液状の老廃物が体内に滞留してしまったものですね。
これこそが「水毒」たるものです。
「水毒」の存在は眼疾患、頭痛、めまい、不眠、動悸、神経痛、胃病等の主原因となることが多いようですので注意したいものです。
この余分な水分の除去は治療面からみても大変重要なことです。
この水毒駆除効果で、腎臓炎をはじめ多くの前述疾患に「防風通聖散」は幅広く使われたとされています。(松田昇 東洋医学研究家、薬剤師)