(執筆;消費生活アドバイザー 香浦さん)
開放的なおしゃれが楽しめる夏の到来ですね。
軽快なお洋服に合わせてどんな靴を選びましょうか。サンダル?それとも流行のウェッジソールやバレエシューズも素敵ですね。
ところで、デパートに併設する靴のリペアショップには、「大きいから中敷を入れて」「小さいから1センチほど靴を伸ばして」などと購入したばかりの新しい靴をお客様が持ち込んで来られるとお話されていました。「この靴を履きたい!」という気持ちもわかりますが、流行やデザインだけでなく、自分の足に合った靴選びも考えたいものです。
外反母趾とは
外反母趾は、足の親指が小指側に反る状態で、症状としては、発症の初期には窮屈な履物をはいて行動した時にしか親指も基部に痛みは生じませんが、症状が進むと裸足で立っているだけで疼痛が出るようになったり、親指以外の足指が痛んだり、痛みのあるタコができます。
その原因は、環境的な要素としては窮屈な履物の常用のほか、路面や床面が硬くなったことであり、女性の方が男性より多く発生しています。女性は関節が軟らかく、変形しやすいからです。
その他、遺伝的な要素が発生の原因となるようです。
これらの外反母趾の大きな原因のうち、自分で予防できるのは靴選びだけです。
外反母趾を防ぐ靴選び
外反母趾を防ぐ靴選びの注意点にはどのようなものがあるでしょうか。
靴選びのポイントは、窮屈すぎない靴、材質が柔らかく、靴の先端が広くかつ足のアーチ構造(縦アーチだけでなく横アーチ)が無理なく保持できるものを選びます。
つまり、足と靴の長さと幅、指の自由の3点に注意するようにします。
外反母趾になっている人は、幅広の靴ならいいのだと誤解している人が多いようです。
外反母趾の人は、靴を履いたときに親指の突出部に側面が当たると痛みを感じるため、幅広の靴を選びがちですが、これはかえって大き過ぎるため逆効果になります。
なぜなら、大き過ぎる靴は、横からの支え(横アーチの維持)がなくなります。
このため、長く履いているうちに、足の指が開いた状態になって突出部が靴に当たるようになります。よって、さらに外反母趾を悪化させることになってしまいます。
自分にあった靴を選ぶ
自分の足に合った靴を選ぶためには、自分の足の長さや幅など正確なサイズを知ることが大切です。
昔から日本人は甲高、幅広と言われてきましたが、現代の多くの日本人は、甲高ではありません。
最近は高さもなく、横幅も狭い(極細足の)日本人が増えているようです。
筆者も典型的な日本人体型でおまけに父が外反母趾という悪状況で靴屋さんに相談に行ったところ、甲も幅も小さい位だとの驚きの助言を受けました。
まずは、靴選びの専門家シューフィッターに、正確なサイズをはかってもらうとよいでしょう。
靴を購入するときは、よいと思える靴をいくつか選んで、それらを履いて店内を歩いて外反母趾になりにくい靴の条件を満たしているか確認するようにしましょう。
「足は第二の心臓」と言われています。
それだけに足の健康に気を配ることは大事なことです。足の健康で密接なのが、普段履いている靴なのです。
流行のファッションを身にまとっていても、ひざを曲げ、不恰好な姿勢で歩くより、自分にぴったり合った靴を履いて颯爽と歩いている人のほうが素敵だと思いませんか?
○参考サイト;日本靴医学会、 同学会の外反母趾についての情報
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