前回紹介したとおり、外反母趾は、痛んで困るようになるまでタコ・ウオノメ以外のこれといった自覚症状はなく、中高年になって痛み出した時には、すでに重度(歩行困難でたいてい手術が必要)というケースが多いようです。
そうならないためにも、できるだけ早いうちから自分の足のことを知り(8月6日記事)、それ以上悪くならないように予防したり、足の専門医(小児整形外科、運動リハビリなど)や専門家(シューフィッターや専門的な靴屋さんなど)に相談することです。
今回は10代以下の子供やハイティーンのハイリスク条件について整理しておきます。
少し古いですが2005年に報告された記事(佐藤雅人氏(当時埼玉県小児医療センター副院長、小児整形外科)ら、中学生調査)を参考にします。
佐藤氏らが行った10年前の93年調査(表中( )内)と比べるとその急増ぶりがよくわかります。(図をクリックすると拡大します)
外反母趾には遺伝的な要因もあると言われますが、ここまでの急増となると環境的な要因の方が圧倒的に大きいことがわかります。
この報告では、子供の場合、ハイヒールなどを履く機会はほとんどないため、小さいころからの運動不足で偏平足になり内側に力がかかって外反母趾になりやすいと推定しています。
【こども・ティーン世代のハイリスク条件】
子供に外反母趾が増えている原因は、医学的・科学的にさらに研究されなければなりませんが、
*素足やサンダルなどで外で遊ぶ機会が少なくなっていること(→運動不足)
*靴を履く時間が(昔に比べて)長くなっていること
などがハイリスク条件と考えられます。
ちなみに8月13日記事でお知らせした痛みのある人の外反母趾データ(20代前後以上500名女性)の分析では、若い年代ほど外反母趾(痛みあり)と運動不足な生活スタイルとの関係が強い傾向が見られます。
次回(最終回9月19日)は、外反母趾と身体トラブルの関係、予防法についてお知らせします。(消費生活アドバイザー 崎山さん)