つい最近の話ですが、ネット通販で、”ア○ピーによく効く”という評判の輸入化粧品にステロイドホルモンが含まれていることがわかり、事件になりましたね。
ステロイドは副作用のある薬ですので、日本では医薬品には配合が認められた物質ですが、化粧品には禁止されています(薬事法)。
今回はそのうちの医薬品の方のお話です。
医薬品にはお医者さんが処方するもの(医師の処方箋で処方される薬、調剤含む)と、ドラッグストアで販売されるもの(一般薬)がありますが、私が勤務するドラッグストアの店頭でもステロイド外用薬を取り扱っています。
最近、そのステロイドの外用薬を、「以前、お医者さんで貰っていたんですがなくなっちゃって」と、通常レベル以上のステロイドを含有する軟膏やクリーム剤を買い求める人が多くなりました。
皮膚のステロイド吸収率は部位によって違いますが、特に顔(アゴ部分含む)や外陰部、頭皮、ワキのあたりも高い吸収率です。
いわゆる劇薬ですから、全身に塗ってしまうと、ひどい時には副腎への影響も心配です。
また、皮膚への副作用は、リバウンドのことを始め色々と言われていますが、長期連用しますと、わずかな温度差や緊張によっても顔の紅潮(ほてり)が見られたりしますので、要注意です!
(前回紹介した鎮痛成分(インドメタシンなど)と同じく、ステロイドホルモンも交感神経優位に作用しますので、使い続けていると、ストレスが亢進し、上記以外の様々な副症状があらわれるリスクも高まります)
要は、ステロイドの外用薬はやみくもに『全身』に塗りたくらないようにし(炎症部分にだけ、うすく塗るのが大原則)、3~4週間使ってみても改善兆候の見られない場合は、お医者さんに相談することです。
また、小児に使用する場合には、お医者さんに相談するか、最寄の信頼できる薬剤師に相談してみることです。(お医者さんでもステロイドに対する考え方は色々です。面倒でも複数の専門家の意見を聞いていみることです)
パッケージや説明書には「広範囲の部位には使用しないでください。」と必ず明記されていますが、たいていのお客さんは読んでいませんね。
「皮膚の腫れに注意してください。」とも書かれていますが、皆さん、ご存知でしょうか?(薬剤師、東洋医学研究家 松田昇)
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