ネオスチグミンとは、広く目薬(点眼薬)に配合されている成分で、毛様体に作用して目の調節機能を改善し、焦点が合わないことによる「かすみ目」を改善する効果があります。
この眼筋調節効果ゆえに、たいていの目薬に含まれているネオスチグミンですが、長期の連用を避けることと、とされています。
眼が疲れたからといって、毎日さすのがクセ、という人はお気をつけください。
目薬についてはもう一点、薬剤師の立場から気になることがあります。
皆さんは薬局で買った目薬が、開封後、どれだけ保存できるかご存知ですか?
パッケージに表示された用量(使用量)は、だいたい1回2~3滴、1日5~6回となっています。
1滴40μl、1回2滴×1日5回=10滴、で計算しますと、『1日約0.4ml』を使用することになります。
ドラッグストアで売っている目薬の容量は、10~15mlで、平均12ml。
つまり12ml容量の目薬を1日0.4ml、つまり1回2滴×1日5回ペースで使うと、ちょうど1ケ月で使い切ることになります。
そうなんです!
通常、目薬は、1ケ月で使い切るように設計されているのです。
パッケージに書いてあるように、直射日光を避けて冷暗所(冷蔵庫なども)に保存したとしても、1ケ月が限度なのです。
アンケートでは、目薬の使用期限について40%の人はご存知ですが、知っていても(もったいないから使い切ってしまう)人が25%、知らないという人も約30%もいます。
最近はコンタクト使用で目薬の売れ行きも好調です。そんな中、低刺激で目に優しいということで、「防腐剤フリー」をうたった製品も増えてきました。防腐剤フリーということは、外からの雑菌によって、開封直後から変質する(=腐りやすい)ということです。そのような製品を使う以上、今まで以上に開封後の使用期限を守らなければなりません。
しばらく(開封後1ケ月以上)使わなかった目薬は、余っていても捨てた方が無難です。(薬剤師、東洋医学研究家 松田昇)
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