女性にとっての妙薬といわれています 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)について。
「当帰芍薬散」は多くの漢方の大家が諸病に広く用いてきた処方です。
もともとは妊娠中の腹痛、ご婦人の腹痛(月経痛)に組み立てられた処方ですが、今や冷え性や貧血に用いられている事が多いようです。
「当帰」は温薬で、手足をはじめ身体の血行を良くし、
腹部骨盤内に充血させることにより血行をさかんにして腹中を温め子宮筋のけいれんをストップします。
「芍薬」は平滑筋に対して鎮痙作用があり、腹痛に用いられます。
しかし本来は寒薬であるため冷えのあるものには今ひとつ。
そこで「当帰」や「川芎」といった温剤を合わせることになります。
「川芎」も血行を良くしてお腹を温めますが、子宮へは「当帰」とは相反して弛緩するところを収縮させるので、子宮からの出血(弛緩性のもの)に用いられています。
※「川芎」はお腹から上部を温めて脳の血行を良くするので頭痛にも用いられますね。
従って漢方処方では、「当帰」「川芎」「芍薬」の組み立てが多く用いられるのです。
例えば、この3つの組み立てに「地黄」を加えると四物湯になります。
「朮(じゅつ)」「茯苓(ぶくりょう)」「沢瀉(たくしゃ)」を加味したものが「当帰芍薬散」。
「朮(じゅつ)」と「黄ごん」を加味したものが「当帰散」。(松田昇 東洋医学研究家 薬剤師)
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