皆さんスティ-ブンス・ジョンソン症候群ということばを聞いた事がありませんか?
1992年にアメリカのスティ-ブンス氏とジョンソン氏の二人が発表した病気です。
薬剤師の間では、『要注意』ということでよく話題になります。
感冒のような症状から始まり、全身のかゆみや左右対称の発疹、発熱、それに特に唇や口腔粘膜がただれて目の充血が始まります。
発疹から水胞に変わり、全身に広がると皮膚がただれてヤケド状になる皮膚障害です。
皮膚粘膜眼症候群とも呼ばれています。
これは医薬品の副作用として発症し、その症状は薬の服用から早いもので3日以内、大半は1~3週間以内に発症します。
皮膚は半年ぐらいで再生しますが、眼裏面障害を併発し、極端な視力低下、眼の表面が皮膚化し失明の恐れさえあるのです。
ただ発症は100万人に1~6人といわれており、極めて発症頻度の低い副作用ですが、最悪の場合死に至り、その確率たるや17~25%ともいわれています。
発病の可能性のある薬としては非ステロイド性抗炎症剤や抗生物質、抗てんかん薬等(同様の成分が解熱鎮痛剤や風邪薬などの一部にも使われていますが)で、その副作用とされています。
今のところメカニズムは未解明ですが、知識として頭のかたすみにおいてください。
そしておかしいと思ったらすぐにかかりつけのお医者さんや、近くの調剤薬局の薬剤師に相談してみるといいですね。
一例をあげてみますと、非ステロイド性抗炎症剤として「ケトプロフェン」を配合したハップ剤やシップ剤、ゲルや軟膏剤。
さらに非ステロイド性抗炎症剤として薬局で売られているハップ剤やテ-プ剤のなかにも「インドメタシン」や「フェルビナク」が配合されたものもあります。
痛みがとれたらすぐにやめ、やみくもにいつまでも張り続けるのは問題かもしれませんね。(こんなことを知ったらね!)
そして非ステロイド剤「ブフェキサマク」という成分を配合した軟膏剤もありますね。
だからといって何もこわがることはありません。
くわしくお知りになりたい方はかかりつけの薬局の薬剤師に相談されるといいと思います。
薬は効能効果をよく理解して正しい用法用量をきっちり守って飲むことが大変重要です。(松田昇 薬剤師 東洋医学研究家)