前回までに外反母趾(予備軍)の見つけ方、外反母趾になりやすい条件(年齢別)について説明してきました。
外反母趾の予防やケアを怠ると、早い人では痛みも無い20代のうちから自然に回復することが難しくなり、更年期を迎える頃に歩行が困難になるほどの痛みに悩まされるようになることがあります。
外反母趾は早く見つけて(早期発見)、早く予防する(早期予防)のがベストです。特に子供たちに予備軍が年々増えているというデータもありますから(前回8月28日)、お子さんのいる方は、ご自分も含めて足元をきちんと見つめ直す必要があります。
【外反母趾を予防する(進行させない)ための心得】
①デザイン優先の足に合わない靴を選ばない。履かない
②運動不足を解消する。特に足裏の筋肉を鍛える
③②を意識し、日ごろからよい姿勢、よい歩き方を身につける
④更年期前後の人は、骨量の減少に注意する(観察する)
⑤外反角が20度以上では長年の生活習慣もあり自然回復は難しいため、進行させないためにも①、②、③、④に留意し、シューフィッターなどのアドバイスを受ける
⑥すでに痛みのある人は、⑤とともに、専門医に受診し医学的なアドバイスを受ける
【冷え性、月経トラブル、荒れ肌など。腰痛】
子供たちの予備軍が増えていることから、生活環境の要因、特に運動不足が原因になっていることは間違いないでしょう。ゼロポジションの美容統計データ(500人)でも、若い女性の外反母趾ほど運動不足との関係が強まる傾向が見られます。
運動不足は身体の循環が低下していることと直結します。
外反母趾の女性で、冷え性や月経トラブル(月経不順)、お肌の荒れ性といったトラブルを感じている人が多く見られますが、おそらく循環の低下がこれらのトラブルの要因になっているものと考えます。TV番組や雑誌風に「あなたの冷え性は外反母趾が原因だった」とは言い切りませんが、運動不足を介した外反母趾と冷え性や月経トラブル、荒れ肌などとの関係は十分に考えられます。
40才より上の年齢で外反母趾で痛みを抱えた女性の6割で腰痛が併発しています。この年齢層で原因不明の腰痛に悩まされている方は、念のため自分の足元もチェックしてみてください。足裏鍛錬で外反母趾の痛みとともに腰痛が緩和される可能性があります。(ただし腰痛には疾患が関係している場合がありますので、いろいろな角度からチェックしてください)
まずは8月6日にお知らせした簡単な測定法で自分の足元を知ること。
そして8月13日や8月28のお話を題材に、外反母趾について考えたり話し合ってみてはいかがでしょうか?
【足裏の筋肉(横アーチと縦アーチ)を鍛える方法】
・床に足を伸ばして座り、両足の親指に輪ゴムをかけて引っ張り合う
・椅子に腰掛け、床に置いたタオルを両足の指先でたぐり寄せる
・足の指でグーチョキパーをする
・親指を意識して爪先立ちで歩く・階段を登る
(このシリーズ終了。消費生活アドバイザー崎山さん)