不眠症状に効果的とされる代表的な処方を紹介します。
◆大病後や高齢者、過労で眠れない人に
ファーストチョイスとして「酸棗仁湯」(さんそうにんとう)がいいでしょう。
ドラッグで購入できますが、わかりにくい場合は薬剤師にお声がけください。
「十全大補湯」(じゅうぜんだいほとう)や「補中益気湯」(ほちゅうえっきとう)などもあります。
これらもドラッグストアで簡単に手に入ります。
いずれも体力の低下を補ないながら、不眠症状を改善します。
◆精神的な不安があったり、神経質なところがある人に
不安感の強い方には「抑肝散」(よくかんさん)。
興奮状態からなかなかさめないという時には「黄連解毒湯」(おうれんげどくとう)を用いるとよいとされています。
「酸棗仁湯」や「抑肝散」はどちらかというと虚証タイプに適しています。
うつ症状がある方には、虚証には「加味帰脾湯」(かみきひとう)。
◆うつ傾向がある方に
逆に実証タイプで、睡眠障害とうつ傾向がある方には、「柴胡加竜骨牡蠣湯」(さいこかりゅうこつぼれいとう)がよいでしょう。
先述の「黄連解毒湯」や「柴胡加竜骨牡蠣湯」は実証タイプ向きです。
◆高齢者に
高齢者には実証タイプの方には、おなじみの「八味地黄丸」(はちみじおうがん)。
頭重感を伴う虚証タイプの方には、「釣藤散」(ちょうとうさん)が多く用いられます。
(東洋医学研究家、薬剤師、松田昇)