「お化粧は肌に負担をかける」「肌のストレスになる」ってよく言われますね。
その場合、ほとんどの方が『皮膚呼吸を妨げる』というイメージを持ちます。
しかし人の肌には呼吸器官は無く、つまり、人は肌で皮膚呼吸をしない生物なのです。
(皮膚呼吸をしている皮膚器官は角膜ぐらい。角膜や粘膜も皮膚の一形態です。)
だから、お化粧が皮膚呼吸を妨げ、肌に負担をかけるというのは誤解。
では、いったいお化粧の何が肌にストレスや負担をかけるのでしょうか?
ご存知でしょうか?
お化粧の困りごとの断然トップは『毛穴のこと』だということ。(目立ち、汚れ、つまり感など)
おそらく大半の女性が、自分の毛穴の状態に満足していないんじゃないでしょうか。
そうです。お化粧は、
1、皮膚呼吸ではなく、皮脂腺からの皮脂の分泌を妨げ、毛穴の悩みの原因となります
2、それと、汗腺から出てきた汗と皮脂の自然な乳化を(物理的に)妨げます(皮脂腺は毛穴の中、汗腺は皮膚表面と、それぞれ別の所に分布しています。)
でも、これはお化粧をする以上、仕方のないこと。
だってお化粧は、肌に物質を塗布することですから、どんなアイテムでも大なり小なり、そういったディメリットが生じます。それはUVケアでも同じことです。
でもそれだけで、お化粧を止める、という考え方は乱暴ですよね。
それよりも、「お化粧にはそういうリスクがあるんだ」ということを知り、化粧をした分、スキンケアもして肌状態を保つことの方が大事です。
お化粧の肌へのディメリットを整理すると、
・皮脂と汗の自然乳化を物理的にジャマするので、皮脂膜が不足した肌になりやすい ⇒乾燥を進めやすい、刺激に弱くなりやすい
・その結果、皮脂だけが肌の上で余りやすい (汗は蒸発する)
・余った皮脂はテカリ、ベタツキになる ⇒化粧崩れを起こす
・毛穴(の中)で余った皮脂は酸化分解(※)して詰まる ⇒毛穴の悩み、吹出物になりやすい
このストーリーは、このシリーズで何度か書いた、なぜ、かくれ乾燥肌になるのか?の説明とほとんど同じ。
つまり、お化粧を続ける以上、かくれ乾燥肌リスクを頭に置いて、それを予防する意味でのスキンケアも続けることが大事になります。
次回(10月27日)。かくれ乾燥肌からの仮説。潤いを与える=酸化ストレスから肌を守る。について(ゼロポジション)
※皮脂は、空気や紫外線によって酸化する。(⇒過酸化脂質)
※また、皮脂は毛穴の最深部(毛のう)に棲息するアクネ菌により分解される。この分解物が毛穴を詰まらせる。(⇒面疱、ニキビ)
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