前回のお話は、図のように分母と分子で考えると、わかりやすくなります。
女性の更年期(45-54才)によく見られる不調全般を分母と考え、
閉経(平均50才)前後に見られる不調を分子と考えてみるのです。
そして、分母は分子を含みますが、分母=分子(更年期の不調=更年期障害)ではありません。
学術的に確認された考え方ではないですが、
一般の女性が、例えば受診した時など、自分とドクターが、分母・分子のどちらで会話しているのかを、チェックしながらコミュニケーションできるようになります。
このことを理解していただいた上でグラフをご覧ください。
該当する年齢(30-64才)の女性2200名の中で、”(何らかの)不調感があって更年期障害が気になる”と回答した人の比率を示しています。
当然、グラフに示されている比率は、分子(更年期障害)のものではありません。
あくまでも分母のものであり、そしてこの中に、更年期障害(分子)の人を含みます。
①45-54才の更年期世代では、約5人に1人が気になると回答
②50代前半がピークであること(約4人に1人)
③50代後半でも約6人に1人が気になると回答。60代前半でも5%。
④それ以外の世代では、ほとんど発生しない(20代0.1%、65才以上ゼロ)
私たちのデータでは、ここまでが精一杯ですが、少なくとも自覚的に更年期障害ではないか?と考えている女性の実態を分析することができます。
なぜなら、すべての女性に対して、他に「健康の悩み」、「お肌の悩み」、「食生活のこと」、「お化粧のこと」など約200項目にわたって回答してもらっているからです。(この大規模リサーチは2006年に終了しています)
そして、例えば更年期障害が気になると回答した人と、そうでない人の回答を比較することで、どういったトラブルや悩みが更年期障害(主に分子)に伴うものなのか?を選び出すことができます。
また更年期世代とそうでない世代との比較によって、更年期世代に特徴的なトラブルや悩み(主に分母)をあぶり出すことができます。