洗顔をする時、人はどのような洗い上がりを求めるのでしょうか?
私の経験とデータでは、『しっとり』と『さっぱり』がそれぞれ約30%、それに『どちらも』という人が40%くらいいます。
『脂性=さっぱり』、『乾燥=しっとり』と単純に考えていては、適切なスキンケアができない部分があることを示しています。
★質の良い石けんは素肌の感覚も磨く
さて、11月11日に石けんづくりの寺田プロの
◆石けんの役割は、肌をゼロの状態に戻すこと(石けんの成分も肌に残さない)
◆よく洗うけど、洗い過ぎないこと
という考え方を紹介しました。
プロが目指すのは「洗った人が、無垢な肌を感じることができる」石けん。
つまり、昔ながらの製法と良質原料で作られた石けんで、「さっぱり」、「しっとり」、「つっぱり」をそれぞれ感じるということは、それが現在の肌状態だということ。
ただし「洗い過ぎない」ことが条件とだそうです。
繊細な話ですが、プロがなぜ、わざわざ手のかかる伝統的な釜焚き製法と新鮮原料にこだわるのか?
理由はそこにあります。
★石けん使いで肌の調子を判断する (日々変化する肌のために)
足すこと(保湿成分、香り、発泡剤)も、引くこと(グリセリン)もせず、『生の石けん』だからこそ、正しく感じることができる境地でしょうか。
天然の保湿成分であるグリセリンがたっぷり残った石けん(石けん①)でも、つっぱる(カサカサする)なら、それだけ乾燥が進んでいると考えることができます。
逆にしっとりするなら、やや乾燥~普通・・・肌の状態が(まあまあ)良好だと考えることができます。
テカリ・ベタツキ肌でさっぱりしたい場合には、二度洗いしてみる。
しかし、それでつっぱる感じやカサカサする人は、かくれ乾燥肌(皮脂過剰型の乾燥肌)の可能性が高いでしょう。
★乾燥が進んだ肌でも洗いは大切 (保湿するなら、洗いは必須)
成人の肌の悩みは、ほとんどが乾燥が原因となって始まります。
しかし、初期乾燥肌を自覚するのは大変難しいことです。
粉をふいたり、赤くなったり、カユミが出たり、コジワになりかけたりして、始めて気が付くことが多いですね。
それがカラダ(脚など)となれば、気付くのが、もっと遅れます。(急に冷えを感じるようになる時は要注意)
質の良い石けんで、洗い上がりの感覚を磨いておけば、いつでも自分の肌の状態を観察でき、最適なスキンケアをすることができます。
お手入れ方法を間違ったり、肌荒れを起こすようなこともありません。
もちろん、乾燥している時は「洗い過ぎない」ようにしなければなりません。
しかし、洗いが不十分なまま保湿する時のリスクがあることも知っておくべきです。(吹出物・ニキビ様のもの、カビ性・バクテリア性のカユミや炎症や黒ズミ、アトピーのトビヒ、など)
だからこそ、肌に不安を持った人ほど、スキンケアの出発点である『洗いアイテム』への「こだわり」と「感性」が大切だと思います。(次回12月2日。試作の透明石けんでティーンのニキビ対策例。)(ゼロポジション)