肌の乾燥と冷え。
5000人のデータでは、非常に強い関係(統計的に意味のある非常に強い関係)が認められます。
しかし現代、そのことについて気がついている(気にしている)人が少ないのが実情です。
なぜでしょうか?
それは、例えば「混合肌」という言葉に対するちょっとした誤解(シリーズ(2)混合肌の正体)にヒントがありそうです。
顔のこともそうですが、顔だけでなく頭皮を含むカラダ全体で考えたときに、乾燥している部分が自分が考えている以上に大きいこと、進んでいることにあまり注意が払われてこなかったことに原因があると思います。
肌の乾燥は加齢ととも広がり冷えの感覚も強まる。
それは美の大敵・・・おそらく太古の昔より美しさを維持するというテーマの中で最大の難問であったことでしょう。
クレオパトラや楊貴妃のような人々はそのことをわかっていたのではないでしょうか。
まず冷えの説明をします。2つの図をご覧ください。
上が健康でノーマルな状態( )、
下が冷えている状態( )です。
からだは内部で熱をつくって、外に熱を逃すという放熱構造になっています。
内部でつくられた熱と外に逃がされる熱のバランスがとれるところが、36℃くらい(平熱)です。
熱は血液によって身体のすべての部分に伝えられます。その通り道が身体表面近くにある毛細血管です。
毛細血管はコタツやストーブのヒーターと考えるとわかりやすいですね。
ヒーターからの熱が不足すると、外に逃げる熱が相対的に大きくなるため、身体は冷えます(循環冷え)。
ヒーターからの熱が適度だと、外に熱が逃げてもヒーターから熱が十分に供給されるので冷えません。
次に乾燥した肌について説明します。
肌の細胞は、基底層から角質層に向かって老化(角質化)してゆきます。
このサイクルを繰り返すのが肌の新陳代謝。
赤ちゃん細胞が毛細血管からもらうものは、適度な栄養(エネルギー)と熱。
寒いベッドで育った赤ちゃん細胞は発育が不十分なままオトナになりますから早く老化してしまいます。
早く老化すると普通(正常)よりも早く角質化して、早くアカになって落ちてしまいます。
本来肌の表面にあって、肌の水分が逃げるのを防ぐ角質が無いまたは薄い状態では肌本来が持つバリアの力が弱く、つまり、保水力が不十分です。
これが肌が乾燥している状態です。
保水力が弱いため、皮膚の水分、それにお風呂に入って外から吸収した水分も、どんどん蒸発してゆきます。
水は蒸発するときに気化熱として身体から熱を奪ってゆきますから冷えるということになります。
また毛細血管がコタツのヒーターとすると、肌はフトンのようなものです。
フトンが薄かったりスカスカだとコタツの中は暖まらないように、乾燥肌の状態では熱が逃げやすく身体は暖まりにくくなります(外気温の影響を受けやすくなります)
冷えには他の理由もありますが、「乾燥と関係した冷え」については、ここで説明したような肌の保水力=保温力の低下から起こるものと考えています。
冷えが乾燥を呼び、乾燥が冷えを呼ぶという「つながり」、お判りいただけたでしょうか?(ゼロポジション)