肩こりや首筋のこりは体内の水滞(すいたい。体液の滞(とどこお)り。水毒とも言う)が原因と位置づけています。
水滞の”水”とは血液以外の体液一般をさし、もちろんリンパ液なども含まれます。
”水”つまり体液には2つあります。
生理活動に利用される状態にあるそのような体液を『津液(しんえき)』、
生理活動に利用されない状態の体液を、『痰飲(たんいん)または水毒(すいどく)』
とそれぞれ呼びます。
水滞(水毒)は血の巡りと密接に関係します。
例えば、長時間の正座で足がしびれると、足の血の巡りが悪くなり、そこで水滞がおき、むくんだりしますね。
これと全く同じでありませんが、腰から背中を含む上半身の血の巡りが悪くなって起きるのが肩こりと考えることができます。
血の巡りの悪い肩こりでは、手や指、顔など、肩から近い部分にむくみが起きることがことが多いですね。
ゼロポジションが分類した疲労型肩こりはこのタイプに近いようです。
漢方家は、腸に余分な水が溜まる(水滞、水毒)ことを肩こりを関係付けて解釈します。
腸に余分な水分がたまるのと、肩こりはなぜ関係があると考えるのでしょうか?
肩は衣紋掛け(えもんかけ)のように、胸や腹を、左右上下前後にバランスをとって吊り下げている筋肉と考えられます。
この時、特に腸に余分な水が溜まっているほど重くなるので、負担が大きくなり、吊っている筋=肩がこってくるという事です。
体質的に虚証の人(水太りが特徴のひとつ)に多いとされ、冷え型肩こりはこちらのタイプだと思われます。
いずれのタイプの肩こりも、水滞(水毒)が原因ですから、生薬としては、滞った水を汗や便(小便や大便)で体外に排出させる効果のあるものをチョイスすることになります。
次回は、主に虚証と実証の肩こりに対して、それぞれ有効と考えられる生薬や薬効成分について紹介します。(東洋医学研究家、薬剤師 松田昇。データはゼロポジション)
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肩こりタイプのチェックをもとにお話ししています。
初めてご覧になった方は、ご自分の肩こりがどのタイプかチェックしてみてください。
こちら(冷え型、疲労型、混合型、単純型)