強力な痛み止め成分(鎮痛成分)のインドメタシンがあります。
シップ薬など経皮吸収剤(皮膚から吸収させるタイプのお薬)として「痛みのひどいところに張って・・・」ということで買って行かれる方を、よく見受けます。
テニスやゴルフなど、年配者に混じって、若い人も買ってゆきます。
インドメタシンなどの鎮痛成分は、強い痛みを短時間で軽くするお薬です。しかし、ずっと張り続けて『痛みの原因』を取り除くものではありません。(例/腰の痛みをとっても、腰痛の根本原因を治療するものではありません)
最近では家族、特に「おばあちゃんがいつも医者からもらってるシップ薬がたくさん余っているので、それを毎日張っているよ」という若い人も増えています。
これらのシップ薬には『高齢者注意』と書いていますが、『若者注意』とは書いていませんね。
実は、インドメタシンが含まれたシップ薬を毎日張り続けていると、肝臓、腎臓、脾臓などに悪い影響が出る可能性があります。(他に、長期使用や習慣的使用の場合、鎮痛成分が交感神経優位に作用するので、ストレスが亢進して様々な副症状があらわれるリスクが高まるので注意してください。)
成分が経皮吸収されて全身に行き渡るので、痛みを抑える効果がありますが、余った分が、上のような困った作用(副作用)の原因になることがあります。
効果の強い薬(インドメタシンなどの鎮痛成分)は、リスクもあることを忘れずに、使用上の用法を守らなければなりません。
シップ薬の使用は必要最小限にとどめ、痛みがとれたら、すぐに使用を止めることが安全です。アンケートでは、そういった安全な使い方をしている(痛みが軽くなったら、はがす)人は、わずか6%という結果。
よく知らずに、家族のお薬が余っているからといって説明書(添付文書)に目を通さずに、むやみに服用したりすることは大変危険ですが、シップ薬(貼り薬)も同じということです。(薬剤師、東洋医学研究家 松田昇)