【豚インフルエンザとヒト-ヒト感染】
A型インフルエンザウイルス(H1N1)によって起こるブタの呼吸器疾患。
ブタの間ではアウトブレイクは定期的に起きていた。
その際、ヒトは普通かからないが、かかることがあり、実際にかかった人がいた。
今回、CDC(米国疾病対策センター)は、ヒト-ヒト感染があると結論した。
【感染すると・・・】
毎年流行する季節性のインフルエンザと似ている。
発熱、咳、のどの痛み、節々や筋肉の痛み、頭痛、寒気、倦怠感など。
豚インフルエンザの場合、下痢や嘔吐を訴える人もいる。
過去には、肺炎や呼吸不全などの重症例や死亡例もある。
一般のインフルエンザと同様、持病がある人はそれが悪化することもある。
【罹患時の対応、体調変化(悪化)のサイン】 (主としてCDC資料より)
季節性インフルエンザのような症状(発熱、節々や筋肉の痛み、鼻水、のどの痛み、吐き気、嘔吐、下痢)がある時には最寄の保健所か医師に電話で相談する。
相談を受けた医師は、検査や治療が必要かを判断することになる。
(体制の整っていない病院クリニックで受診しようとすると、医療従事者や他の患者さんに感染させる可能性があるため、必ず最寄の保健所またはかかりつけの医師に電話で相談すること。治療体制の整っている医療施設を紹介してくれる。)
調子が悪い時には、感染を拡げるのを防ぐために外出しないようにして、人との接触を避けるようにする。
もし状態が悪く、以下のような危険な徴候が現れたときには救急病院に行くようする。
<小児の場合>
・呼吸が早くなったり、呼吸困難がある
・皮膚が青ざめてきた
・水分が十分に取れない
・目を開けようとしない、会話ができない
・ひどくぐずる、じっとしていられない
・インフルエンザの症状がよくなったのに、熱をぶり返し、咳がひどくなった
・発熱があって、発疹も出てきた
<大人の場合>
・呼吸困難
・胸やお腹に痛みや圧迫感を感じる
・突然めまいがする
・意識がおかしくなってきた
・ひどく、しつこい嘔吐
【ヒト-ヒト感染の特徴 (罹患した人の感染確率の高い期間)】
症状がある間は人にうつすものとして考えた方がよいとされている。
発症から7日間に及ぶことがある。
小児、特に低年齢のこどもではもっと長い間、感染源となる可能性がある。
【予防法】
基本的に季節性インフルエンザと同じ。
・咳やくしゃみをするときにはティッシュで鼻や口を押さえ、使ったらゴミ箱に捨てる
・石鹸と水で手をよく洗う。
・咳やくしゃみをした時には特に洗うようにする。
・アルコールの入ったハンドクリーナーも効果的。
・身体の調子の悪い人のそばに近づかないようにする(半径数メートル以内)
・罹患したら、感染拡大を防ぐため仕事や学校を休み、人となるべく接触しないようする
【治療方法】
CDCはオセルタミビル(タミフル)ザナミビル(リレンザ)を治療または予防に推奨。
抗ウイルス薬は処方箋が必要で錠剤、液体、吸入式があり、ウイルスが増殖するのを防ぐ。
発病した際に服用することで症状が軽くなったり、治るのが早くなったりなどの効果がある。
重症な副作用を防ぐことにもつながる。
治療の際には、発症後2日以内に飲み始めるのがべスト。
【重症度と過去のアウトブレイク】
重症度はさまざま。(季節性インフルエンザと同じ)
05年から09年1月までに米国で12例の報告があったが、死亡例はゼロ。
しかし今回のメキシコの例のように豚インフルエンザ感染には深刻なケースがある。
米国では88年9月に、ウィスコンシン州の32歳の妊婦が罹患し肺炎で入院し、
8日後に亡くなるケースが報告された。
76年にはニュージャージー州フォートディックス(Fort Dix)でアウトブレイクが起こり
200人以上が感染、数人が重症となり、1人が亡くなっている。
【どうして感染? 2つの感染ルート】
・感染したブタとの接触や豚インフルエンザウイルスで汚染されたものに接触
・豚インフルエンザに感染した人との接触
特に今回は、ヒトーヒト感染が報告・確認され、一般のインフルエンザと同じ形で感染が
広がると考えられるようになった。(→フェーズ5)
季節性インフルエンザと同様、豚インフルエンザでも罹患した人の咳やくしゃみで感染が広がる。
【新型インフルエンザの過去記事】
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