生産や流通の大型化、食生活の洋風化、核家族化・・・
近代化の波の中で次第にすたれていったなにわの伝統野菜を復活させようとする取り組みが注目されています。
家業の飴作りに伝統野菜を取り入れることに成功したのが明治5年創業の豊下製菓さん。
自称「なにわの伝統野菜応援団」。
天王寺蕪(てんのうじかぶら)を皮切りに、
毛馬胡瓜(けまきゅうり)、
金時人参(きんときにんじん)、
勝間南瓜(こつまなんきん)、
水茄子(みずなす)、
田邊大根(たなべだいこん)、
河内一寸空豆(かわちいっすんそらまめ)、
玉造黒門越瓜(たまつくりくろもんしろうり)、
天満宮前大根(てんまみやのまえだいこん)、
という9種類の伝統野菜を使った飴を作ることに成功。
アートな感じの『なにわの伝統飴野菜』は、9種類12粒入り840円。
JR阪和線・美章園駅から徒歩で5分ほど、商店街から少し離れた一角にある豊下製菓さんの工場。
近辺は昭和の初め、美章園温泉(大阪三大温泉の一つ)でにぎわったところ。ダンスホールを備えたモダンな建物は残念ながら今年2月に解体されたそうです。
突然の訪問でしたが、5代目豊下正良社長さんに直接お話を聞くことができました。
工場前の庭先には、お盆明け頃収穫された勝間(こつま)南瓜が。
「ごつごつして見栄えが悪いけど、食べたら本当にいい味なんですよ。」
「市場に出回り、スーパーで大量に売られている野菜は、タネをまくといっせいに芽を出し、同じタイミングで収穫されます。
でも、天王寺蕪は同じ時期にタネをまいても、早く育つものもあれば、遅いものもあり、まさに自然に合わせて育ちます。
だから出来たものは当然不ぞろい。
けれども、自然に合わせて育つから、味が濃く、野生に近いんです。」
伝統野菜を使った飴を作ろうと思われたきっかけは?
「伝統野菜は旬がはっきりしていて、旬を逃したら手に入らない。
つまり、旬以外にはないものなんです。
それを飴にすると保存がきくので、旬の素材を一年分取り揃えて見てもらえますよね。 その時期にはないものでも旬の味わいを楽しむことができるんです。」
懐かしい味に郷土料理を思い出す人、
「どんな野菜だろう!?」と興味をかきたてられる人・・・
伝統飴野菜は一度口にすると、もう一度!とおもわせる魅力にあふれています。
工場の販売コーナーには、伝統飴野菜の他、定番の人気商品フルーツ飴、熊野地方北山村で邪を払う果物として珍重されているじゃばらを使った『じゃばらの力のど飴』、
天王寺蕪の漬物をフリーズドライした『なにわの茶漬け(ぶぶづけ)』などなど、
他では手に入らない逸品が目白押し!
ますますラインナップが充実していく豊下製菓さん、これからも目が離せません♪ (HANADANGO)
>◎<豊下製菓株式会社>◎<
E-mail:[email protected]
URL:http://www.toyosita.com
大阪府大阪市阿倍野区美章園2-13-3
TEL:06-6719-4458 FAX:6719-3593
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