どこの家庭でも使われているコショウですが、ポピュラーなのがブラックペッパーとホワイトペッパー。
最近はグリーンペッパー、ピンクペッパーなど彩りを楽しむコショウも見かけるようになりました。
これから寒い季節。
身体が温まるコショウのお話を紹介します。
【黒と白】
どちらも同じ胡椒の実を加工したものですが、収穫時期と処理の仕方で色と風味が異なります。
ブラックペッパーは未熟なペッパーの実を数日間天日で乾燥させたもの。
さわやかな香りや辛味があり、肉料理やソーセージなどに使われます。
ホワイトペッパーは完熟したペッパーの実を1週間ほど水に浸して外側の果皮を取り除いたもの。
香りがマイルドで、魚料理やポタージュなど白く仕上げたいものに使われます。
【ピペリン】
辛味成分はピペリン(piperine)。
辛味はカプサイシン(唐辛子)ほどではないですが、血行をよくし身体を温めます。
またビタミンB6、ビタミンC、ベータカロテンなどといっしょにピペリンを摂取すると、吸収率が良くなることが確かめられています。
ピペリンの量はブラックの方が多いとされています。
【食欲増進と誤嚥防止】
年をとると食べ物を飲み込む力が落ちて、むせたり、食べ物をのどに詰まらせたり、食欲がなかったりします。
誤って肺や気管に食べ物を吸い込んでしまうことを 『誤嚥』 といいますが、肺炎の原因になったりして、命にかかわることもあります。
東北大学の海老原孝枝先生は、食欲のないお年寄りのラーメンにコショウをかけてあげると食欲が出た、という老人施設の職員の話をヒントに、コショウの香りで、誤嚥を防止し、食欲を増進させる商品を開発中だそうです。
【アドバイス by 下町のシェフおばちゃんM】
もう何十年もブラックペッパー、ホワイトペッパー、普通のコショウ、と3種類のコショウを使い分けている下町のシェフおばちゃん(キラリ発見初登場!)に上手なコショウの使い方をアドバイスしてもらいました。
ペッパーは香りが飛びやすいので、出来れば買いだめせず、なるべく新しいものを買い求めるようにした方がベター。
◎買い置きしたい人は密閉容器に入れて冷凍しておくと風味が長持ちする。
◎面倒ですが、ペッパーミルで直前に挽くとぐんと風味がひきたちます。
◎普通のコショウを良く使いますが、牛肉や豚肉には必ずブラックペッパー、白身魚料理や鶏肉にはホワイトペッパーを使う。
◎鶏肉はブラックや普通のコショウよりもホワイトペッパーの方が旨みが引き立つ。